注目度は低いが販売は好調?日産ZがGRスープラを上回ったワケ
日本のスポーツカーといえば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのがトヨタ・スープラでしょう。特に現行モデルのGRスープラは、BMWとの共同開発により、洗練されたパフォーマンスと先進技術を兼ね備えたモデルとして話題になりました。しかし、2024年の販売台数において、日産のスポーツクーペ「Z」がついにGRスープラを上回る結果となりました。
これは単なる偶然ではなく、Zが持つ魅力や市場の変化が大きく影響しています。本記事では、2024年の販売データをもとに、日産ZとトヨタGRスープラの違いや、なぜZがスープラを超える結果になったのかを詳しく解説します。
2024年 日産ZとトヨタGRスープラの販売台数比較
日産ZとGRスープラの2024年の販売台数を比較すると、次のような結果になりました。
車種 | 2024年販売台数 |
---|---|
日産Z | 3,164台 |
トヨタGRスープラ | 2,615台 |
販売台数の差は549台ですが、これはスポーツカー市場においては大きな差です。特に、スープラが常にJDMの象徴として人気を誇る中で、日産Zがその牙城を崩したことは注目に値します。
では、なぜ日産ZがGRスープラを超える結果となったのでしょうか?
日産Zの強みと魅力
1. コストパフォーマンスの高さ
日産Zの価格はGRスープラと比較しても手頃でありながら、パフォーマンス面で見劣りしません。
車種 | トリム | 価格 |
トヨタGRスープラ | Base 2.0 | $45,540 |
Base 3.0 | $54,500 | |
3.0 Premium | $57,650 | |
45th Anniversary | $64,375 | |
日産Z | Sport | $42,210 |
Performance | $52,210 | |
NISMO | $64,990 |
ベースモデルの価格で比較すると、日産ZのSportグレードはGRスープラのBase 2.0よりも約3,000ドル安く、GRスープラのBase 3.0に対しては12,000ドル以上の価格差があります。
さらに、最高性能を誇るZ NISMOの価格はGRスープラ 45th Anniversary Editionとほぼ同じですが、馬力はZ NISMOの方が優れています。
2. エンジンスペックとパフォーマンス
車種 | エンジン | 馬力 | トルク | 0-60mph | 最高速度 |
日産Z | 3.0L ツインターボV6 | 400HP | 350 lb-ft | 4.5秒 | 155mph |
日産Z NISMO | 3.0L ツインターボV6 | 420HP | 384 lb-ft | 4.1秒 | 155mph |
トヨタGRスープラ 2.0 | 2.0L ターボ直4 | 255HP | 295 lb-ft | 5.0秒 | 155mph |
トヨタGRスープラ 3.0 | 3.0L ターボ直6 | 382HP | 368 lb-ft | 4.0秒 | 155mph |
純粋なパワーだけで見れば、日産Zの標準モデルであるSportやPerformanceは、GRスープラ3.0よりも高出力です。特にZ NISMOは420馬力を誇り、より強力なパフォーマンスを発揮します。
また、日産Zは6速マニュアルトランスミッションが標準装備されている点も魅力的です。一方で、GRスープラは2.0Lモデルにはマニュアル設定がなく、3.0Lモデルのみとなっています。
3. デザインとレガシー
日産Zは、初代フェアレディZから続くレガシーを大切にしつつ、現代的なデザインを取り入れたモデルです。レトロなデザインがファンの心をつかみ、特に旧型Zオーナーやクラシックカー愛好者にも受け入れられています。
一方、GRスープラはBMW Z4と共通プラットフォームを使用していることから、「純粋なトヨタ車ではない」と批判されることもあります。この点も、Zの販売が伸びた一因と考えられます。
まとめ
2024年に日産ZがトヨタGRスープラを上回る販売台数を記録した理由は、以下の点が大きく影響しています。
- 価格の優位性:日産Zの方が手頃な価格設定でありながら、高いパフォーマンスを発揮。
- エンジンスペックの強さ:標準モデルでも400馬力を発揮し、NISMOは420馬力に達する。
- デザインとレガシー:歴史を受け継いだレトロなデザインが支持されている。
- 純粋な日本車としての魅力:GRスープラがBMW製エンジンを搭載している点に対し、日産Zは独自の開発である。
このように、日産Zは単に販売台数でスープラを超えただけでなく、その魅力やコストパフォーマンスの高さがユーザーに評価された結果といえるでしょう。
今後、日産ZとトヨタGRスープラの競争はどのように進化するのか、引き続き注目したいところです。
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