2025 Mazda Roadster 35th Anniversary Edition: 35年続く英光の歴史とアメリカ人に愛される理由
ロードスターの電動化は、「次世代のロードスターを想像する上で必然の流れ」と言われています。これはMazda自身も、ロードスターの電動化を公然の秘密としていません。ただ、車重を控えたガソリンエンジンのロードスターが少しずつ殆くなり、やがて電動化の日が近づいているとはいえ、これまでの精神を続けて残してくれるのではないかと期待が集まります。
Mazdaは、そんな感情を再生させるかのように、2025年度ロードスター35周年記念モデルを発表しました。この35周年記念モデルは「AE」の名で知られ、これまでも1周年記念モデルや10周年、25周年といったモデルが発表されてきました。
初代ロードスターの登場から35年
Mazdaロードスターの歴史は、1989年に登場した初代ロードスターから始まりました。この時の車は、行旅に出るようなオープンスポーツ車が質量の面で不足しており、これを勝ち抜けるモデルは少なく、市場は低迷していました。その中で登場した初代ロードスターは、「重すぎず、大きすぎず、楽しい」を概念に、新たなオープンカーの世界を描き出しました。これによりロードスターはアメリカのマーケットに最適な車として認知され、以降のロードスターの人気の城石を打ち立てました。
単なるスポーツ車ではなく、アメリカ人に愛される理由
ロードスターは「大きすぎず、重すぎず、楽しい」を概念に開発され、「ドライビングの本質」を保つことに成功してきました。これはアメリカ人の生活文化にも絡み合っています。自然に観光に出かける旅の仲間としても、サーキットトラックのような計画的な運転を楽しむための道具としても、ロードスターはありとあらゆる人を魅了する存在となっています。
定期的に開催されるMazda MX-5 Cupは、英国から始まったグラスルーツレースを思い出させるものです。このレースシリーズは、ロードスターが単なるスポーツ車に留まらず、外のイベントやレースにも大きく貢献していることを証明しています。
2025年度ロードスター35周年記念モデルの特徴
今回の35周年記念モデルの主な要素を見ていきます。外装には「Artisan Red Metallic」という主役的なカラーを採用し、これはハイエンドSUVのCX-90でも発表されたことで知られる色です。このカラーは3層レイヤーの重ね塗りによって生まれ、背景によって色合いが変化する美しさを持ちます。その他、染め上げのスポイラーやスペシャルエディションの17インチホイールなど、外装の見た目を一気に洗練させる設計がされています。
内装はタン色のNappa Leatherを採用し、このレザーは座席からカーペットまで続いています。ダッシュボードの上部やドアパネルも「Artisan Red Metallic」になっており、テーマのイメージを高める要素となっています。
これらの特徴は、35周年記念モデルが「ロードスターの歴史と進化を記憶する」優れたデザインであることを証明しています。
少数生産のロードスター
35周年記念ロードスターは、300台のみの限定生産で、値段は37,435ドルからとなっています。購入者には「スペシャル体験」が提供され、この車の所有者としての特別感を体感することができます。
次世代への期待
ロードスター35周年記念モデルは、ガソリンエンジン車としての最終世代に近いモデルである可能性があります。しかし、Mazdaは次世代のロードスターにおいても、軽快さや楽しさを損なわないような設計を目指しています。現在、ロータリーエンジンを補助電源とする「Iconic SP」コンセプトが注目されており、これが次期ロードスターの基盤となるのではないかと期待されています。
ロードスターは35年という長い歴史を通じて、進化を続けながらもその本質を失わず、ファンを魅了し続けています。これからのロードスターにも、同じような期待が寄せられているのです。
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