2025年フォルクスワーゲンIDバズの試乗レビュー:新しい時代の電動バス
フォルクスワーゲンの象徴的なバス、かつての「ヒッピーバス」が、2025年に電動モデルとして甦りました。その名も「IDバズ」。この新しいバスは、懐かしいデザインを現代の電動技術で再解釈し、過去の魅力を現代に繋ぐモデルです。しかし、このバスは単なる懐古主義ではありません。IDバズはミレニアル世代や新しい家族層にアピールする、多機能でスタイリッシュな電動バンとしての姿を見せています。
レトロと未来の融合
IDバズの外観は、かつてのフォルクスワーゲンバスを彷彿とさせるデザインを持ちながら、現代の電動車としての性能を備えています。特に二色の塗装や、大きなVWのバッジ、Dピラーの丸窓トリムなど、懐かしさを感じさせる要素がふんだんに盛り込まれています。しかし、そのドライブ体験は、かつてのバスとは一線を画します。後輪駆動のIDバズは、スムーズな加速を提供し、0-60mphを6.6秒で駆け抜けます。これは、かつてのバスでは想像もできなかった性能です。
ドライビングエクスペリエンス
IDバズに乗り込むと、広々としたガラスの景観と、運転席から遠くまで広がるダッシュボードが出迎えます。背の高い車体にもかかわらず、低重心の設計と応答性の良いステアリングにより、驚くほど楽しいドライビング体験が楽しめます。特に山道での走行や都市部での取り回しでは、その機敏な動きに驚かされるでしょう。
また、バッテリー性能も優れており、234マイル(約376km)の航続距離を持ち、200kWの急速充電にも対応しています。旅行中の充電時間は33分程度で、次の目的地へスムーズに移動できます。
実用性と広々とした空間
IDバズの最大の魅力は、その多用途性です。車内は7人が快適に座れる広さを誇り、さらにシートを折りたためば、大きな荷物も積み込むことができます。特に家族連れやDIY好きの方には、ピッタリの機能が揃っています。さらに、各席にはUSBポートやカップホルダーが完備されており、長距離ドライブでも快適に過ごせるよう配慮されています。
高価格がネック?
しかし、IDバズには一つ大きな課題があります。それは価格です。ベースモデルの価格は約6万ドル(約900万円)からスタートし、試乗車の「Pro S Plus」モデルでは6万7,535ドル(約1,013万円)にも及びます。かつてのバスが手頃な価格で広く愛されたのに対し、新型IDバズは高価格帯に位置しており、多くのミレニアル世代には手が届きにくいかもしれません。
とはいえ、その革新的なデザインや多機能性を考慮すれば、IDバズは新しい家族や車中泊好き、さらにはトレンドに敏感な層に強くアピールすることでしょう。今後、価格が下がるにつれ、ますます多くの世代に愛されるモデルになる可能性があります。
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