カリフォルニア州、2歳の息子がテスラ・モデルXを起動しママを轢く事故を引き起こす
カリフォルニア州の女性が、テスラ社に対して訴訟を起こした事例が話題となっています。この事故は、彼女が妊娠中だった2018年に発生しました。訴訟の中心となっているのは、彼女の2歳の息子が誤ってテスラ・モデルXを起動し、その結果として母親が車に轢かれたというものです。
事故の詳細
マロリー・ハーコートさんは夫と共にモデルXを購入したばかりでした。彼女にとってこの車は、その安全性から選んだものでした。しかし、クリスマスのわずか2日後、この事故が彼女のその決断を見直させることになりました。
事故当日、ハーコートさんは自宅に到着し、夫が経営するカイロプラクティッククリニックに家の鍵を忘れてしまったことに気付きます。息子のおむつを変える必要があったため、彼女はガレージでおむつ替えスペースを設け、その後で再び外出するつもりでした。彼女がおむつバッグを車から取り出し、運転席のドアを開けたままにしておくと、その隙に息子は彼女から離れ、車内に忍び込みました。
息子は車内のフットウェルに足を踏み入れ、ブレーキペダルに触れると同時に車を始動。その後、ギアレバーに手をかけてドライブモードにし、アクセルペダルを踏んだ結果、車は時速8マイル(約12キロメートル)で動き出しました。
法的な争点と被害状況
この事故により、ハーコートさんは骨盤を骨折し、出産予定日よりも早く、苦痛を伴う出産を強いられました。彼女は1週間の入院を余儀なくされ、医療費として73,000ドル(約820万円)がかかったと報じられています。事故から回復はしたものの、彼女は未だに痛みに悩まされており、息子もこの事故の影響で心的外傷を抱えていると言います。
彼女の弁護士は、幼児が車に登ることは予測可能であるものの、「幼児が車を始動させることができるとは誰も思わない」と主張しています。それに対し、テスラ社の弁護士は、母親が息子をひとりにしておいたことが事故の原因であると反論しています。
裁判の行方
この訴訟は4月11日に陪審裁判が開始され、ハーコートさんは医療費用、精神的苦痛などに対して未定額の損害賠償を求めています。このケースは、車の安全性とユーザーの責任の境界を問うものとして、今後の自動車業界に大きな影響を与える可能性があります。
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