ランエボ復活の予兆!? 三菱×日産の新型EVが切り拓く電動スポーツの未来
―ファン待望、あの伝説が“静かに”戻ってくるかもしれない。
2025年5月、三菱自動車が電動化時代における再出発とも言える新型EVの投入を発表した。そのベースとなるのは、日産が同年発表予定の次世代「リーフ」。航続距離は300マイル(約483km)を目指し、形状は従来のハッチバックからSUV風へと進化する。この新型リーフをベースに、三菱ブランドのバッジをつけたモデルが2026年後半、北米市場を皮切りに登場する予定だ。
この記事では、三菱のEV戦略、リーフとの関係性、ブランド名復活の可能性、そして今後の展望について、徹底的に掘り下げていく。
◆ 1. EV戦国時代と三菱の「再出発」
グローバルな自動車業界は、2030年を目前に“EV戦国時代”とも言える競争状態に突入している。そんな中、かつてラリーの世界を制し、SUVで北米市場を席巻した三菱が静かに反撃の準備を進めていた。2026年の後半、三菱は北米で新型EVを発売する。そのベースとなるのが、日産の次世代「リーフ」だ。
これは単なるOEM供給ではなく、三菱にとってはブランド再生の鍵を握るモデルとなる可能性が高い。注目すべきは、その車がただのリーフの“コピー”に留まらないという点だ。
◆ 2. i-MiEVから十余年──失敗からの学び
三菱は、実は日産よりも早く量産型EV市場に挑んだメーカーの一つだ。2009年に世界初の量産型軽EV「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を発売し、日本、欧州、そしてアメリカへと展開した。
だが、当時のi-MiEVは62マイル(約100km)という航続距離の短さ、80マイル/hという控えめな最高速度、そして割高な価格設定が災いし、消費者の支持を得られなかった。ネット上では“ゴルフカートEV”と揶揄されることすらあった。
この教訓を踏まえ、三菱は「次のEVは本気で勝負する」として、満を持して2026年の新型モデルを投入しようとしている。
◆ 3. 次世代リーフとは?──変貌するエントリーEV
新型リーフは、従来のハッチバックからコンパクトSUVへとスタイルを一新し、約300マイル(約483km)の航続距離を実現する見込みだ。この数字は、現在販売されているエントリーEVの中でもトップクラスであり、テスラ・モデル3やヒョンデのアイオニック5とも渡り合えるスペックだ。
注目すべき点は以下の通り:
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形状: ハッチバックからSUV風に変化(サイズ感は日産キックス程度)
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航続距離: 最大約300マイル(約483km)
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駆動方式: FWD(前輪駆動)、AWDは非搭載予定
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バッテリー: 容量選択可能(上位モデルで最大航続達成)
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充電口: テスラのNACS(北米充電規格)を採用し、スーパーチャージャーにも対応
このプラットフォームを三菱がどう料理するのかが、今後の注目ポイントとなる。
◆ 4. 三菱版リーフの仕様と予想スペック
三菱が2026年後半に投入するEVは、おそらく以下の仕様となるだろう。
項目 | 予想スペック |
---|---|
車体タイプ | サブコンパクトSUV |
モーター出力 | 約150〜200馬力(予想) |
航続距離 | 約400〜480km(上位モデル) |
駆動方式 | 前輪駆動(AWDなし) |
充電ポート | NACS(テスラスーパーチャージャー対応) |
サイズ感 | 現行キックス/ライズと同等 |
◆ 5. ランサーか?コルトか?──ネーミングの鍵
今回の新型EVの命名について、三菱は過去に以下のモデル名をアメリカで商標登録していることが判明している:
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Lancer(ランサー)
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Lancer Evolution(ランサーエボリューション)
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Colt(コルト)
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Galant(ギャラン)
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Montero(パジェロの北米名)
最も有力視されているのは「Lancer」または「Colt」だ。特にLancerは、スポーティなイメージを持ちつつも、セダンからSUVへの転身にも対応できる懐の広いブランド名である。
◆ 6. 日産と三菱の提携強化と今後の共同展開
三菱と日産は、ルノーを含むアライアンスを通じて長年にわたって技術共有を行ってきた。今回のリーフベースEVに加え、三菱は自社の強みであるPHEV技術(アウトランダーPHEVなどで培った)を日産に提供することも発表されている。
このPHEV技術は、日産の人気SUV「ローグ(日本名:エクストレイル)」の次期型に搭載される予定だ。つまり、2026年は三菱と日産の“相互補完型EV/PHEV戦略”の起点となる年でもある。
◆ 7. 北米市場での狙いと日本導入の可能性
三菱は現在、北米市場では「アウトランダー」や「エクリプスクロス」が一定の人気を得ているが、セダン系や小型モデルには空白がある。このEVはそのギャップを埋める重要な一手となる。
一方、日本市場への導入は未発表であるが、以下のような条件が揃えば日本でも販売される可能性は高い:
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航続距離400km以上で現実的な価格設定
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日本でのNACS規格の普及
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国産EVの選択肢の少なさに対する需要
◆ 8. 三菱が描くEVブランド再構築への道
三菱は現在、世界的には中堅メーカーに甘んじているが、かつてのブランド価値は非常に高かった。エクリプス、ランエボ、デリカ、パジェロなど、強力なネームバリューを持つモデルが揃っていた。
この新型EVがヒットすれば、以下のような展開も期待できる:
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次期「デリカ」のEV化
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PHEV版「パジェロ」復活
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電動「ランエボ」再始動
つまり、この1台は単なるEVではなく、「三菱の未来を占う鍵」と言えるのだ。
◆ 9. ファンが待つ“ランエボ”復活の可能性
今回の発表でLancer Evolution(ランエボ)の名が再商標登録されたことは、多くのファンにとって大きな希望となった。もちろん今回登場するEVがランエボの名を冠する可能性は低いが、“電動ランエボ”が技術的に実現可能な段階に来ているのは事実だ。
三菱が新たに手にした日産のEVプラットフォームや、PHEVノウハウを駆使すれば、AWD対応の高性能電動スポーツモデルを開発する土台は整っている。
◆ 10. まとめ──三菱はEV時代の勝者となれるか?
三菱は今、かつてない岐路に立っている。かつてWRCで輝いた名門ブランドは、静かに復活の兆しを見せている。2026年の新型EVは、その起点となる1台だ。日産との連携、ブランド名の復活、そしてEVとしての完成度──どれもが成功すれば、三菱は再び脚光を浴びる可能性を秘めている。
そして、ファンが夢見る“ランエボEV”の復活も、決して絵空事ではない。
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