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「軽さの代償」──EUが炭素繊維を禁止へ、自動車業界に走る激震

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第1章:なぜEUは炭素繊維を“有害物質”と見なしたのか?

2029年から欧州連合(EU)で施行予定の新しい環境規制「End of Life Vehicles(ELV)指令」改正案は、自動車業界に大きな波紋を広げている。この改正案では、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムなどと同様に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)も「再利用困難な素材」として規制対象となる可能性がある。

この判断の背景には、炭素繊維のリサイクルの難しさと、処分時に発生する微細なカーボンフィラメントの有害性がある。粉塵化したカーボンは肺や皮膚に悪影響を及ぼす可能性があるとされ、人体や環境へのリスクが懸念されている。

さらに、欧州委員会が提唱する「循環型経済」では、製品は最終的に分解・再資源化されることが前提となっているが、炭素繊維のリサイクル率は依然として10%未満。これが規制強化の大きな動機となっている。


第2章:炭素繊維が自動車業界にもたらした革命

炭素繊維の最大の特徴は「軽さ」と「強さ」の両立である。鉄よりも4倍強く、重さはその5分の1。これが高性能スポーツカーだけでなく、大衆車の軽量化戦略においても注目されてきた。

例えば、BMWはMシリーズでCFRP製のルーフを採用し、車両の重心を下げてコーナリング性能を向上させた。アウディはRSシリーズに炭素繊維強化ミラーやエンジンカバーを導入。マツダは軽量ボンネットに、トヨタはGRモデルでカーボン製リアスポイラーを搭載している。

特にEVにおいては、バッテリーの重量を相殺するために軽量化素材が不可欠であり、炭素繊維は代替不能な存在として見なされていた。


第3章:自動車業界とカーボン依存──世界の使用量の20%を占める理由

2023年時点で、炭素繊維の全世界生産量のうち約20%が自動車業界で使用されている。その用途は、ルーフ、フロアパネル、センターコンソール、シートシェル、ホイール、インテリア装飾まで多岐に渡る。

また、自動車用炭素繊維は主にTier1サプライヤーが複合材料として製品化しており、その下には炭素繊維糸を生産する原材料メーカーが存在する。最終製品は、オートクレーブ成形、RTM(レジントランスファー成形)、プリプレグ成形などで加工される。

その高度な製造工程と成形技術により、完成品の単価は高いものの、性能面での利得がそれを上回るとされ、多くのメーカーが採用に踏み切ってきた。


第4章:世界の炭素繊維メーカーとシェア争い

主要メーカーのシェアと特徴

  • 東レ(日本):世界シェア約35%。BMWとの合弁企業「SGLオートモーティブ・カーボン・ファイバー」を設立し、量産車への供給実績多数。
  • 三菱ケミカルグループ(日本):PAN系炭素繊維の分野で高い技術力を持つ。ホンダや日産との取引実績あり。
  • SGLカーボン(ドイツ):BMW M部門に向けた軽量コンポーネントを供給。欧州市場に強い。
  • Hexcel(アメリカ):航空宇宙向けに強いが、自動車向け複合材も手掛ける。GMやフォードと提携。
  • Solvay(ベルギー):熱可塑性複合材(CFRTP)の開発が進む。欧州自動車メーカーと共同開発中。

炭素繊維の製造は高エネルギー消費型であり、環境規制が強化される中で各社はCO2排出削減技術の導入やリサイクル技術の開発を急いでいる。

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