2024年モデルの日産アリアNISMOは、その名前に見合うパフォーマンスを提供できるか？
日産アリアは、電気SUV市場において一定の評価を受けていますが、NISMO（Nissan Motorsport）バージョンは、その高性能イメージに見合うパフォーマンスを発揮できているのでしょうか？この記事では、2024年モデルの日産アリアNISMOが日本市場とヨーロッパ市場に投入されることを前提に、その特徴と性能について詳しく解説します。
アリアNISMOの外観とデザイン
他のNISMOモデルと同様に、アリアNISMOもエアロダイナミクスと外観の改良が行われています。外装デザインは、空気抵抗をさらに低減し、ダウンフォースを増加させるための工夫が施されています。ただし、ボディの寸法自体は通常のアリアと同じで、全長182.9インチ（約465cm）、全幅74.8インチ（約190cm）、全高65.7インチ（約167cm）です。
日本市場では、B6およびB9という2つのトリムが提供され、それぞれNISMO専用の20インチホイールと255/45R20のタイヤを装備しています。また、インテリアには特別にデザインされたシートや高品質な内装が採用され、NISMOのスポーティさを強調しています。さらに、サスペンションも専用チューニングが施され、パワーアップされたパフォーマンスに対応しています。
パワートレインの性能
B6モデルは66kWhのバッテリーを搭載し、362馬力と413lb-ft（約560Nm）のトルクを発揮します。これは、通常のアリアe-4orce Engageモデルと比べて27馬力の増加です。一方、B9モデルは91kWhのバッテリーを搭載し、413馬力と442lb-ft（約600Nm）のトルクを提供します。これも、同様の大容量バッテリーを持つ他のアリアモデルに比べて24馬力の増加となっています。
また、日産は「NISMO専用のドライビングモード」を搭載し、レスポンスの最大化を図っています。さらに、フォーミュラEにインスパイアされた音を生成するサウンドジェネレーターが装備され、走行時の興奮を一層高める仕組みとなっています。
課題となる充電性能
ただし、パフォーマンスの向上に反して、充電性能に関しては課題が残ります。B6モデルは130kWのDC急速充電に対応しており、10%から80%までの充電に約35分、B9モデルでは約40分を要します。この数値は、他の高性能EVと比べると平均的です。
加速性能は期待外れ？
残念ながら、2024年モデルのアリアNISMOの加速性能は期待外れとなる可能性があります。日産の発表によれば、0-100km/hの加速は「5秒以内」とされていますが、競合のヒョンデ・アイオニック5は、非Nバージョンのデュアルモーター仕様で4.4秒、Nバージョンでは2.8秒という驚異的なタイムを誇ります。この点において、アリアNISMOはパフォーマンスを期待している顧客にとってやや物足りない結果となるかもしれません。
日本市場での登場時期
2024年春に日本市場での発売が予定されており、現在のところ価格は未発表です。しかし、日産がパフォーマンスサブブランドであるNISMOをEVラインアップに加え始めている点は注目すべきであり、特にアメリカ市場向けにも今後どのような展開があるかが期待されます。
結論
2024年モデルの日産アリアNISMOは、外観やインテリア、パフォーマンスにおいて一部改良が加えられていますが、加速性能や充電性能に関してはやや平凡で、競合モデルに比べて弱点が目立つ可能性があります。それでも、NISMOブランドの魅力や日産の技術力を反映したこのモデルは、特に日本市場において注目を集めることは間違いないでしょう。
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