メルセデス・ベンツ、次世代EQモデルのプラットフォーム開発を中止 – EVが苦戦
メルセデス・ベンツは、次世代EQモデル(EQSおよびEQE)のために設計された新しいプラットフォーム「MB.EA Large」の開発を中止することを決定しました。この決定は、現在の高級EVモデルの販売が振るわなかったことによるものです。ドイツの出版物Handelsblattの報告をAutocarが引用しています。
開発中止の背景
新しいMB.EA Largeプラットフォームは2028年に導入される予定でしたが、その中止により、メルセデス・ベンツは約43億ドルから65億ドルの開発および再ツール費用を節約することが見込まれています。昨年、メルセデス・ベンツは米国市場で合計43,202台のEVを販売し、前年と比べて248%の増加を記録しましたが、まだ十分な数字とは言えません。同じくEV市場に参入しているRivianは、商用車部門を含む50,000台以上を販売しており、メルセデスを上回っています。
さらに、今年の第一四半期では、米国市場でのメルセデス・ベンツの販売が前年同期比で4.5%減少し、8,336台に留まりました。
新たな戦略と今後の展望
MB.EA Largeプラットフォームの開発は中止されましたが、MB.EA Mediumプラットフォームの開発は継続されており、次世代EQCセダンおよびSUVに使用される予定です。また、EVA2プラットフォームを改良して、現行のフラッグシップEVであるEQSおよびEQEの後継モデルに使用されます。
新しいEQSおよびEQEには、400ボルトの充電アーキテクチャが800ボルトシステムにアップグレードされる予定です。また、バッテリーセルも現在のモデルよりも多くのエネルギーを提供し、電動モーターもより効率的なユニットに交換されます。
その他の開発中のプラットフォームには、CLA、GLA、GLBなどの電動および内燃機関搭載コンパクトモデル向けのMMAプラットフォーム、スポーツカー向けのMB.AMG、商用車向けのMB.Vanがあります。
EV市場における挑戦と戦略の見直し
メルセデス・ベンツは、2025年から2030年までに電動車のシェアを50%にするという目標を延期し、2030年までに特定の市場でのみEVを販売する計画も見直しました。このような戦略の転換は、メルセデス・ベンツがEV市場での競争に対応するための一環として行われています
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